検診で尿酸値の上昇を認めたら

『検診で血圧が少し高いと言われたので』と検診結果表を持ってクリニックにいらっしゃる患者様の検診結果を数年前にさかのぼって拝見させて頂ますと数年前から尿酸値が上がり始めている事がよくあります。

①尿酸値が7mg/dlを超え、かつ痛風関節炎、痛風結節の存在
②尿酸値が8mg/dlを超え、かつ高血圧、糖尿病、虚血性心疾患等の合併症がある場合
③合併症はないが尿酸値9mg/dlを超える場合

以上3つの場合には薬物療法を選択する事になります。
では何も合併症や自覚症状がない尿酸値7〜9mg/dl以下の方は放っておいていいのでしょうか。
高尿酸血症は高血圧、心血管疾患の独立した危険因子であり、また高尿酸血症はメタボリックシンドロームの最初のバロメーターとなります。
7mg/dlを超えたら『これはまずい』と思って頂き運動、食事療法に取り組んでいけば、その後メタボを回避し健康に過ごせる事と思います。
尿酸というとプリン体の食品に多く含まれているためビールを多飲すると良くないという事は広く知られていますが、プリン体の直接摂取だけでなく肥満による内因性のプリン体合成による上昇の影響も大きく尿酸値を良くするためには何よりも肥満防止が大切です。

岩田 晶子