歯周病はお口の中ではとどまらない

いつまで自分の歯で食事ができるのだろうか?なんて考えられた事はありますか? 90歳になる私の祖母の歯は義歯が一本もなく何でも食べられます。
自分の歯を保っていく事は長寿の秘訣の一つに挙げられます。
歯の喪失の1番の原因は歯周病です。
35歳頃から歯周病が発症しやすくなるそうです。
歯周病は感染症の一つで風邪を引くみたいに口の中に陰性偏性嫌気性菌という菌に感染する事が原因です。
風邪とは違い一度感染すると慢性炎症という形でずっと口の中に居座りじわじわゆっくり歯肉の炎症を広げていきます。
この慢性炎症は動脈硬化を進行させ心臓病を引き起こしたり、インスリン抵抗性を高め糖尿病の方の血糖コントロールを悪くさせることが今までに報告されています。
メカニズムははっきりと解明されてはいませんが、歯周病の治療をする事で血管内皮細胞の機能が改善、糖尿病の指標であるHbA1cが数値で1%近く改善するなどデータは豊富にあり関与は明白です。  
私は内科医ですが、積極的に歯周トラブルのケアーを勧めています。
それにより全身状態が良くなっていくことを実際に多々実感しています。
病気との関連だけではなく抗加齢的観点からみても慢性炎症(継続してどこかに炎症がある状態)避けるにこしたことはありません。
日々の丁寧なブラッシングや歯科での定期的な歯石の除去(年に3回を推奨します!)を是非とも実践して下さい。

岩田 晶子