毎日続く頭痛 その1

何週間にもわたって毎日続く頭痛は、慢性連日性頭痛と呼ばれています。
慢性連日性頭痛の原因は様々ですが、最も多いのは、薬剤乱用頭痛と呼ばれている、お薬によって誘発される頭痛です。
薬剤乱用頭痛で悩まれる患者さんのほとんどは、もともと片頭痛のある方です。
しかも、その原因は、いわゆる”頭痛薬”、すなわち市販の鎮痛薬です。片頭痛のない方ですと、毎日鎮痛薬を飲んだとしても、何も起こりませんが、片頭痛を持つ方が2週間以上にわたり、2日に一度以上の頻度で鎮痛薬を飲みますと、薬剤乱用頭痛が起こってきます。
片頭痛の患者さんでは、どうも今日は頭痛がきそう、という予感(予兆と言います)のある方が多いのですが、こういう時に予防的に鎮痛薬を飲むことを続けると、薬剤乱用頭痛に陥って、毎日頭痛に悩まされる事になってしまうのです。
なぜこういう事が起こるのかはよくわかっていませんが、炎症を抑える作用を持っている鎮痛薬を絶えず使用していると、お薬の効果が切れてきた時に、それまで抑えられていた炎症が反動で起こってくるためではないか、と言われています。
また、市販の鎮痛薬には、カフェインが添加されているものが多いのですが、カフェインには動脈を収縮させる作用があり、その効果が切れると、動脈がその反動で拡張し、頭痛を生じますので、その効果も又、薬剤乱用頭痛の原因となっていると考えられます。

岩田 誠