高齢者のたんぱく質摂取

厚生労働省が2020年4月から高齢者のたんぱく質の摂取目標値を引き上げるという記事が新聞に掲載されていました。筋肉の衰え(フレイル)を予防し、衰えによる運動・認知機能低下の予防につなげるという目的です。

現在、65歳以上で1日摂取エネルギーの13%~20%のたんぱく質摂取を目標としていましたが今後15%~20%に変更されます。具体的には体重1Kgあたり1g以上のたんぱく質を摂りましょうという事です。

一方で摂りすぎへの悪影響も考慮され上限の20%以下という設定もきちんとされています。医師の立場から加えると現在かかえている疾患(特に糖尿病や腎臓病)によってはたんぱく質を制限した方がいい場合もあるという事とたんぱく質の摂り方の工夫も大切だと思います。たんぱく質の中でも植物性たんぱく(大豆由来)は腎臓に負担がかかりにくいと言われています。同じたんぱく質50gでも動物性(肉・魚)か植物性かによって腎への負担は異なるということです。

また気を付けて頂きたい事はプロテイン飲料、アミノ酸飲料は手軽ではありますが、腎臓の負担がとても高いという事です。80歳になると誰しも腎臓機能は若い頃の60%程度に低下します。80歳の方がアミノ酸飲料を飲まれますと腎機能低下につながる事が懸念されます。なるべく食事の中で上質なたんぱく質を摂っていくことが大切です。

岩田 晶子